07:前橋
・利根川に沿って東側と西側を上流に向かって進む旅だ
・採り入れの終わった田圃と上越線と彼方の山々の作り出す風景はなかなかだ
・一月の沼田の夜は流石に寒い
前橋---元総社神社---半田---渋川駅---敷島駅---棚下不動---沼田 37.5km
2000年1月8日
2000年1月8日、21世紀初めの歩き旅は前橋のホテル油屋からの出発だ。まずは隣の前橋ホテルの横を通過して本町2丁目の五叉路に架かる歩道橋を渡り、群馬大橋へとまっすぐに伸びる左前方の道に進む。暫く進み、表町1丁目の信号を通過した先で市中を流れる風呂川を渡る。冬の早朝ということもあって寒く、人通りは少ない。 |
群馬大橋に向かって進んでいくと右手に群馬県庁の立派な高層ビルが現れる。県庁ビルに金をかけ過ぎではと、当該の県民ではないが思ってしまう程だった。その先の大橋を進んでいくと途中に見晴らし台があり、榛名山の頂きが前方に見える。風が冷たい。 |
大橋を渡ってからも暫く進み、Y字路を右に進んで行き、車の少ない道を歩く為、総社神社前で右折する。やがて回避した車道と合流し、北へと進む。日新電機の工場の横を通過した先で、15号線と分かれ、車の少ない15号線と上越線との間の道を進む。約3km程進み駒寄橋を渡った先で右折して上越線を越え利根川沿いの道を進む。早朝からの歩きだったので、サントリーの半田工場近くの右手の土手の淵で暫し休憩をとる。土手の下から利根川までは大分距離があるようだった。 |
戻って更に北に進んでいくと左手に半田の由来という碑が現れる。田圃の畔の端だったことから畔きりが転じて、田と半との二文字に分かれ半田となったという説と、埴輪ができる粘土の田だったことから埴田が転じて、半田になったという説とがある、と刻まれている。あまり面白い話ではないが、古代から開けた土地だったようだ。 |
午王川を超えた先のT字路を左折し、関越自動車道を超えた先で右折して暫く進んでいくと、やがて渋川の駅前にでる。がしかし、東口は殺風景なので西口に回ってみると、駅前には女神像があり、レンガ通りとなっていた。駅前の観光案内には「日本のまんなか緑の渋川」とキャッチフレーズが書かれている。日本のまんなかと言われても「だから何」と聞きたくなる。いま一つ何か足りない気がするが・・・・。 |
西口から東口に戻り、国道17号線に出て左折して国道を進む。下郷の交差点を右折して利根川を大正橋で渡る。片側1車線の狭い橋だが、右側に歩行者専用の橋がついているので安心して渡れる。利根川は乾季で広い河原には石がごろごろしている。 |
天竜橋という橋を渡った先のT字路をまっすぐ進み、255号線に入る。上越線を越えて左にでるが、やがてまた右戻る。蛇行する利根川に近づいたり離れたりしつつ、上越線に沿ってひたすら黙々と北に進んでいく。敷島駅の先で線路沿いに進むのを止め、直進して近道のコースをとる。そろそろ昼飯を取る為の良い場所がないかと歩いて行くと、西原の交差点の先、西谷戸の田圃の辺りで、列車が見えて眺めが良いところがあったのでそこで遅い昼食とした。田圃の畔に腰を降ろし定番のおにぎりを頬張っていると上越線が通過していく。遥かなたには子持山がどっしりと陣取っていて、なかなか絵になる里山の風景だなと心を動かされる。 |
目的地の沼田までの距離を考えると、のんびりもしていられないので、早々に出立する。暫く進んでいくと橋の右手に柱が一つだけの奇妙な赤い吊り橋が現れたので、シャッターを押しておいた。ここから先は何も無く、再び黙々と歩く。 |
やがて利根川が谷底となって近づき、道は渓谷の細い道となり不意にトンネルが現れる。狭いトンネルなので車が来ると怖いなと不安になったが幸い車には遭遇しなかった。その先の広い道になると、上越線のトンネルが二つ山の中に見え、農家の人が稲藁を燃やしていた。その先で再び蛇行する利根川渓谷を進む細い道となる。対岸には17号線を行く車が走っているのが見える。そこを通過すると、再び広い普通の道となるが、時間に追われて焦ってくる。対岸の17号線をを進む車のテールランプが赤くともっているのが見える。伏田発電所を通過するころになるとやや暗くなってきた。そして寒さも襲ってきた。森下の農協の先で左折して進み、新君河原橋を渡る。この橋の先に沼田があるのだ。まだまだ夕闇には包まれてはいない。 |
橋を渡り右折して進み、約2km程この通りを黙々と進んでいくと、やがて夕闇が迫り、寒さに包まれる。町に入ったところで、不安にかられながら左折する直角の道が探して進む。東京電力の手前の道がそれだった。ここで左折して道なりに進むとやがて大通りの信号を渡り、下り坂となる。夕闇包まれた商店街を進んでいくとその先に沼田駅の明かりが見えた。駅に着くとすっかり暗くなっていた。改札口では近郊の女子高生達がクラブ活動の帰りらしくワイワイと賑やかだ。近くの土産もの屋で暖かいおでんを食べ、一息ついてから帰途につく。一月の沼田の夜は流石に寒い。 |