43:今別(いまべつ)宿
・今別町役場の場所は往時の奉行所跡であるがそれを示すものは何も掲示されていない
・浜名の岬を越えると民家はなくなるが遠くに龍飛の塔が見えてくる

 今別---浜名---増川橋---三厩 5.5km
 2015年11月6日





 今別川の橋に近づくと左手に赤い鳥井の見える丁字路が現れる。街道は国道と分かれて、ここを左手に進み、あすなろ橋を渡る。右折して坂を登り、国道と合流し左折して宿場内を進む。


 左カーブの坂道を下っていくと左手に大きな旧家が現れる。以前は店を開いていたような二階建ての家だ。その前を通過し、次を左折していくと右手に今別町役場が現れる。往時には奉行所がおかれていた所だ。それを示すものは何も残っていないのが残念だ。「2016年3月26日北海道新幹線開業」の大きな看板が掛かっているように、町は新幹線開業で沸いているようだ。


 街道にもどらずに町役場前の道をそのまま進むと1657年に開かれた本覚寺に突き当たる。山門の横には太宰の小説にも登場していることを案内板に示している。太宰はN君やMさんと一緒に寺を訪ね、鯛を包む新聞紙をもらったり、長い長い寺の説明を和尚の奥さんから聞いたと小説のなかで語っている。


 境内には今別大仏や5代・貞伝上人が自分の墓として建てた青銅塔婆がある。貞伝上人は今別昆布の養殖を広めた人といわれている。また塔婆の下の墓穴に自ら入りそのまま入寂したとも伝えられている。なお、境内には子供の狛犬と一緒の親狛犬という微笑ましい像があり、思わずシャッターを押してしまった。


 街道にもどり、浜名の湊を通過すると民家はなくなり海沿いの道となる。再び民家が見えてくると遠くに塔が見えてくる。暫く進むと国道バイパスと合流する標識が現れるが、バイパス側のみが国道280号であるかのような表記になっている。また三厩の塔かと思ったら「←龍飛岬 風の岬へようこそ」「←三厩駅 津軽国定公園龍飛」とあり、龍飛への案内の塔だった。バイパス道を横断して左斜めに進むと増川橋が現れる。橋を渡るとその先は三厩宿だ。


 今日はここまでとし、橋の手前で左折し三厩駅に向かう。16時30分三厩駅到着。駅前の案内図をみると「ようこそ外ヶ浜町」とあり「再び外ヶ浜町なの?」と思った。案内板の地図を見ると外ヶ浜町というのは飛び地になっていたのだ。ストーブのたかれた三厩駅待合室で温まり蟹田にもどって中村旅館に宿泊する。今別の宿泊所は新幹線開業工事で一杯なのだ。



(42平舘宿) (44三厩宿)

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