55:三条大橋(さんじょうおおはし)
・江戸からの入り口で、中京区に三条大橋がある
・江戸から126里、約490kmの道のりがある
・牛若丸で有名な五条大橋は南側の下京区にある

 三条大橋---京都駅
 2003年11月3日





 三条通には雨にもかかわらず、けっこう人が出ている。いくつかの大通りを渡って進んでいくと、遠くに道がやや広くなっている感じのする、人が大勢行き交っている場所が見えた。ああ!三条大橋だ!足が早くなる。右の歩道から、左の歩道へと三条通を走って渡る。高山彦九郎像があるはずだ。あった!カメラで接近していく様子をとろうとシャッターを押す。歩いては押す。そしてまた押す。「三条大橋だ!ついに歩ききったぞ!」何度もシャッターを切った。午後3時10分、ついに日本橋から京都・三条大橋までの旧東海道を歩ききったのだ。


 化粧品販売キャンペーンのお姉さんにチョットどいてもらって「花の回廊」の写真をとった。雨に濡れていて文字がハッキリしないが気にしない。1年半前から夢に見てきた三条大橋の地に、東京からこの足でたどりついたことで、一人舞い上がってしまっていた。変なおじさんが妙に舞い上がっていると、京都の人から見たら見えたような気もするがご容赦願いたい。


 少し落ちついたところで自分をいれた三条大橋の記念写真を付近にいたお兄さんにお願いして撮ってもらった。顔は自然と微笑み顔となってしまう。記念にお兄さんのも一枚いただきたいといったら遠慮されてしまった。雨は小雨になっていた。夢のような目標が今、現実化したのだ。この興奮をひとりで喜ぶしかないことは残念だが、そして今日は今までに無い大雨だったがそんなことはこの感激にとってはどうでもいいことだ。口にだしてうまく言えないが、川岸にたたずむ弥次さん・喜多さんならならわかってくれるだろう。


 三条大橋を渡った先の角の喫茶店でアメリカンとモンブランを自分への褒美として食べて一休み。それにしてもこの場所は人が多いのに驚かされる。雨なのに付近には若い人たちがぞろぞろといるのだ。どうもここは京都の人たちのデートスポットのようだ。喫茶店のお姉さんに京都駅までの道を確認して、京都駅まで歩いた。午後4時35分、京都駅に付いたとき、日は暮れていた。駅前の京都タワーがひときわ大きく聳えていたが、東京から京都までを歩き通した私の冒険を讃えてくれているようで、なんとなくうれしかった。そして新幹線で飲んだビールも、この日は格別にうまかった!



(54大津宿) (61消えた街道)

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